2018年9月22日(土)、第1回 施設長育成塾が開催されました。施設長育成塾についはその概要を前回お話ししていますが、今回は具体的に第1回の内容をご説明します。

第1回 施設長育成塾のプログラム

この日のプログラムは以下の通りです。


1時限目    09:00     施設長育成塾の説明、施設長の求められる能力について
2時限目    10:40     施設長の本来の役割、施設長の3つの条件

<12:10     休憩>

3時限目    13:00     ワークスケジユール作成講座、パソコン操作、エクセル
4時限目    14:45     管理職としての基本的な考え方の整理と前提知識
5時限目    16:30     専門性を身に付けるための論理的思考の前提知識
6時限目    18:15     本日の振り返り

<19:00     終了>


講師側も文字通り朝から晩までですし、それ以前の準備も含めてかなりハートです。参加者には大阪から参加している施設長候補もいますが、彼らが参加できるのも施設に残って彼らの穴を埋めている職員がいるからです。会社としても感謝しています。

施設長の人格と「トロッコ問題」

それではひとつ印象に残った講義の内容をご紹介します。

以下はマイケル・サンデル「これから「正義」の話をしよう」からの引用(多少文言は変えてあります)で「トロッコ問題」として有名です。

みなさんはどう答えるでしょうか?

あなたは電車の運転士です。運転している路線の先に5人の労働者が働いています。電車のブレーキが壊れていて、このまま電車が進むと5人は死にます。

しかし、線路の途中で分岐点があります。その分岐点で右側に電車のハンドルを切れば、電車は右側に進みます。しかし、右側の線路の先には1人の労働者が働いています。右側に電車が進むと1人の労働者が死にます。

あなたはまっすぐ進みますか?それとも右側に進みますか?

(図はWikipedia 「トロッコ問題」より)

もうひとつ

あなたは橋の上に立っています。橋の下には線路が通っていて、ブレーキが壊れた電車が走ってきています。線路の先に5人の労働者が働いています。電車のブレーキが壊れていて、このまま電車が進むと5人は死にます。

しかし、あなたの隣にはとても太った男性が今にも橋から落ちそうな状態で立っています。あなたがその男性を橋から突き落とせば電車は止まり、5人の労働者を救うことができます。

あなたは何もせずに見ていますか?それとも男性を突き落として5人を救いますか?

『これからの「正義」の話をしよう』 マイケル サンデル (著), 鬼澤 忍 (翻訳)

上記の質問に対して施設長候補の皆さんにはそれぞれ自分の意見を述べていただきました。しかし「正しい答え」を出すことが施設長育成塾の意図ではありません。

医療や福祉の世界では、上記の例ほど極端ではありませんが、このようなことはよくあることです。例えばワクチンが5人分しか無いのに患者が6名います。あなたはどうしますか?・・・の様な例です。

施設長として大事なことは「逃げないこと」

施設長がその施設のルールや決まりを決めるとき、施設長が作ったルールや決まりによって不利益を被る人が出るケースが往々にして発生します。(しかし、決めないとより多くの人が不利益を被ってしまう)

その時に施設長として大事なことは「逃げないこと」です。施設長は、自分の施設の課題に対して、なんらかの決定を下し、その決定に対して発生する様々な事柄に対して責任を持つことです。

そしてこういう腹の括りが、施設の職員には必ず伝わります。ややもすると「これは私のせいではない。仕方なかったんだ。」と考えたくなります。

しかし、そういう気持ちを抑えて施設長として逃げずに職員に対して説明ができるかが保育士としての資質とは違う施設長として非常に重要な資質であると考えています。

当社の施設長育成塾ではこうした対話を通して、施設長として必要な知識やスキルを習得していくことを目的としています。

第一回の報告は以上です。第二回 施設長育成塾では「課題設定」について書いています。


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