本を紹介する前に当社とこの本の編者である中坪先生の関係を少し説明します。

 

当社ではPIQと呼ばれる施設長向けの保育・介護の専門性向上プログラムがあります。これは施設長の専門性を向上してもらうために査読付き論文の学会提出を義務付けた教育制度です。

https://aiai-group.co.jp/cms/pr_blog/%e6%96%bd%e8%a8%ad%e9%95%b7%e3%81%ab%e8%ab%96%e6%96%87%e3%82%92%e6%9b%b8%e3%81%8b%e3%81%9b%e3%82%8b%e4%bc%9a%e7%a4%be%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/

施設長は、「ゼミ」という形で大学等の先生から直接指導を受けながら2年間の間に論文を作成します。そのゼミの先生の一人に広島大学大学院 教育学研究科 准教授 中坪 史典 先生がいらっしゃいます。

中坪先生は 日本社会福祉マネジメント学会東京都保育士等キャリアアップ研修で 「幼児教育」の担当もされており、人気の研修になっています。

https://aiai-group.co.jp/cms/pr_blog/%e4%bf%9d%e8%82%b2%e5%a3%ab%e7%ad%89%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97%e7%a0%94%e4%bf%ae%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88%e3%80%8c%e5%b9%bc%e5%85%90%e4%bf%9d%e8%82%b2/

その中坪先生が編集されている「テーマでみる保育実践の中にある保育者の専門性へのアプローチ」を読みました。この本が面白いのは、

各章を「研究者による知見の紹介」と「保育実践者によるコメント」の二段構成とし、研究と保育実践の面から「保育者の専門性」のあり方をみなさんとともに考え

書籍の紹介記事より

る形式になっているところだと思います。

「発達」(ミネルヴァ書房)で連絡されている「人との関係に問題をもつ子どもたち」でも同じように実践者と研究者のふたつの視点が掲載されていますが、この違いは内容の理解をより深いものにするし、自分の理解を整理する意味にでも良い形式だと思います。

以下に目次を紹介しますが、保育士の業務の幅広さが理解できると同時に、これらの専門性の多くが経験に基づくもので(もちろんそうでないものも多くありますが)こういった書籍により言語化されることでそれが「専門性」だと気づかされます。

目次

序章 なぜ保育実践の中にある保育者の専門性にアプローチするのか?(中坪 史典)

第Ⅰ部 子どもの生活を支える

第1章 乳児と絆を結ぶ保育者の専門性(水野 佳津子)

コメント 保育の場における乳児と保育者の関係(妹尾 正教)

第2章 乳児の〈泣き〉と保育者の専門性(塩崎 美穂)
コメント 心をみる(清永 歌織)

第3章 登園場面を支える保育実践と保育者の専門性(保木井 啓史)
コメント 日常の保育において意識せずに行っている「ながら行為」(妹尾 有貴)

第4章 食事場面を支える保育実践と保育者の専門性(淀川 裕美)
コメント 「食べる」を支える保育者自身の気持ちと専門性(知念 みね子)

第Ⅱ部 子どもの遊びを支える


第5章 乳児の遊びを支える保育実践と保育者の専門性(村上 博文)
コメント 乳児は主体的に学び発達する(福田 泰雅)

第6章 ごっこ遊びを支える保育実践と保育者の専門性(高橋 真由美)
コメント ニセモノが広げる本物の遊び(中丸 元良)

第7章 砂遊びを支える保育実践と保育者の専門性(箕輪 潤子)
コメント 援助の原点に立ち返らせてくれる砂遊びを支える保育者の専門性(松本 信吾)

第8章 子どもの運動遊びを支える保育者の専門性(吉田 伊津美)
コメント 「やってみたい」意欲を引き出すことから運動経験を重ねていく——運動遊びが苦手な幼児の姿から考える(山崎 奈美)
第Ⅲ部 子どもの葛藤場面と向き合う

第9章 いざこざ場面にみる保育者の専門性(白石 敏行)
コメント いざこざ場面の発達的変化と保育者の対応のあり方(濱名 浩)

第10章 片付け場面にみる保育者の専門性(平野 麻衣子)
コメント 「子どもの生活」を通して育む片付け(池田 明子)

第11章 「見守る」ことで子どもの自律的問題解決を支える保育者の専門性(中坪 史典)
コメント トラブルから学ぶ体験を保障し、保護者にもその体験が生きる力を育むと伝える大切さ(市原 悟子)
第Ⅳ部 子どもの表現世界をひらく

第12章 子どもの絵本との出会いと保育者の専門性(横山 真貴子)
コメント 素晴らしい絵とことば、装丁を共有する楽しみ(村崎 千津子)

第13章 子どもの音楽的表現を支える保育者の専門性(香曽我部 琢)
コメント 保育実践における音楽教育のあり方について(出原 大)

第14章 「演じること」「観てもらうこと」を支える保育者の専門性(二宮 祐子)
コメント 演じる力を支え、親心を引き出すカリキュラム(鈴木 惠子)
第Ⅴ部 多様化する保育実践における専門性

第15章 障害のある子を支える保育者の専門性(久保山 茂樹)
コメント 障害児保育は障害児だけの保育ではない(宮崎 勝宣)

第16章 子育て支援における保育者の専門性(小川 晶)
コメント 子どもが本来もっている力を引き出し、保護者とともに喜び合うこと(西垣 真由美)

第17章 外国籍の保護者と幼児を支える保育者の専門性(吉田貴子)
コメント 多文化の園からみえること(池ヶ谷 恵美子)

第18章 よそおいの視点からみる保育者の専門性(木戸彩恵)
コメント 異領域にころがる興味深い視座(正岡 里鶴子)
第Ⅵ部 保育者の専門性発達をめぐる問題

第19章 保育者の専門性を支える園内研修・保育カンファレンス(掘越 紀香)
コメント 保育の場からみる「保育者の専門性を支える園内研修・保育カンファレンス」(中山 昌樹)

第20章 保育者の専門性としての保育行為スタイルの形成と維持(上田 敏丈)
コメント 保育実践者からみた保育行為スタイル(青山 誠)

第21章 保育者の専門性の基盤となるアイデンティティと効力感(西山 修)
コメント 保育者としてのアイデンティティ形成の支えとなった職員集団(宮武 大和)

終章 その場の状況を見きわめながら子どもとかかわる保育者の見識と洞察(中坪 史典)

 


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