5月20日、あい・あい保育園 西白井園では、園で提供している栄養バランスのよい給食をお弁当にして、登園自粛が続く家庭で食べてもらおうという企画を行いました。

 

 

園のねらい
・登園自粛でお昼ご飯作りが負担になっている保護者を支援する『保護者支援』
・自粛中の子どもの『健康観察』
・栄養バランスを考えた『食育支援』
・窓越しでの保育者との関わりで『精神的ケア』
・子どもたちが次回の登園にワクワクしながら登園できるような『環境作り』

『家庭保育の一助になれば』という職員の想いから始まったこの企画。新型コロナウイルス対策として、ドライブスルー形式・さらにお弁当を手渡すごとに、かならず手指を消毒し、園児との対面は時間にして1~3分程度。給食をお弁当にして提供するという前例のない取り組みに対して、なぜ踏み切ったのでしょうか。

その答えは園児、そして保護者の笑顔にあった

 

車が渋滞しないよう日程・時間帯を分けて始まったドライブスルー給食。園児を乗せた車が続々到着し、事故のないよう案内する保育士や給食を手渡す保育士が

「〇〇ちゃん!元気そうでよかった、また保育園で遊ぼうね」

「□□くん!髪の毛切ったのね!似合ってるよ、かっこいい!」

なかには久々に先生たちに会うためにイヤリングやドレスをきておめかしをする子どももいました。声をかけると、久しぶりに会えた先生の顔を見て、園児は照れつつ、マスクごしでも伝わるほどの笑顔で給食を受け取ります。園内にいる特別保育中(医療従事者の子ども等)の園児がその様子を窓から覗き込み、自粛期間に会えなかった友達に対して「〇〇ちゃんだ!〇〇ちゃーん!」とおおきな声で呼びかけ手を振り、車の中の園児も大きく手を振り返す瞬間は、新型コロナウイルスで当たり前ではなくなった「おともだちと遊び、こころを育む場所」としての本来の保育園の姿を思い出させてくれました。

取材当日、園児の分だけでなく、保護者も同じものを食べられるように「調理師自慢の肉じゃがコロッケを2個入り」にした大人用も用意。

 

給食を受け取った保護者の方にこの取り組みについての感想を伺うと、

「本当に感激でした。自宅に籠りきりで、子どもも飽きてしまっていました。少しでも先生方に会えることが嬉しかったです」

「ありがたいです。毎日お昼ご飯は困っていて、いつも同じ麺類とか簡単に済ませています。(苦笑)保育園でこういう取り組みをしてくれると栄養バランスも整っているし、野菜をお昼に食べさせてあげることができる。〇〇もずっと保育園に行きたいと言っていて、(登園できるのを)楽しみに待っています。」

「子どもの分だけ作って、自分は食べないで済ますこともあるけど、今日は一緒に食べます」

などと語り、保育士との束の間の面会に笑顔で応えていました。

ドライブスルー給食が終わった約2時間後、早速、保護者から「給食とてもおいしかったです!□□は一生懸命、お野菜も残さないで食べていました」「久しぶりの園の味に喜び、あっという間に完食していました」「何よりも先生たちに会えて本当に嬉しかったです」「自粛中でも先生たちが子どもを考えてくれるのが伝わってきます。ユーモアたっぷりの毎日の動画配信やこのプロジェクトを通して、先生方に感謝しています」とうれしい報告が。

再開した時には園としてパワーアップした姿を見てほしい

施設長は「認可保育所が給食をドライブスルーで提供するということは、前例がないことだったので、自治体や保健所に説明、確認したりすることが大変でした。指導頂いた通りに食中毒などのリスク管理にも最善の注意を払い行いました。ほとんどの保護者が参加してくださいましたし、無事に事故もなく、子どもたちの元気な姿を確認することができ嬉しく思いました。休園中も子どもたちや保護者の事を常に考えています。時に動画配信をするユーチューバー、スマイルゼロ円のドライブスルー、当社で行っているIQパズルの教材発送等、普段保育士としてできない貴重な経験をしています。この自粛期間、保護者の皆様の登園自粛のご協力により保育者も在宅勤務を行い『学ぶ』時間がとれています。再開した時には私たち自身が成長し、園としてパワーアップした姿を保護者の皆様にも見てほしい」とお話してくれました。

また、西白井園は、この3月に卒園した園児を対象に、彼らが小学校に入学し、安心して通学するまで保育士としてサポートしたいとのことから、保育園で行っていたIQパズルの教材や手紙や園だより特別バージョンの送付。入学式が行われる予定だった日には、卒園児に対して施設長からのメッセージを配信するなど、卒園児に対しての精神的ケアにも力を入れています。