2018年11月3日(土)、第3回 施設長育成塾が開催されました。前々回の第一回前回の第二回に続いて今回は第3回の内容をご説明します。

第3回 施設長育成塾のプログラム

この日のプログラムは以下の通りです。


1時限目    09:00     小テスト、前回の振り返りと社会福祉関連の教養
2時限目    10:30     課題設定

<12:00     休憩>

3時限目    13:00     労務とハラスメント
4時限目    14:45     面談ロールプレイング
5時限目    16:30     PL講座
6時限目    18:15     本日の振り返り

<19:00     終了>


今日も一日、びっちり勉強します。

社会福祉関連の教養

認可保育園の場合、公定価格にかかる委託料は保育の質とは関係なく決まることもあり、委託費に関して無頓着な職員や施設長が意外と少なくないと思われます。

また、認可保育園に限らず社会福祉施設の運営にかかる費用は、一部の利用者負担を除いてその財源の大部分を税金などの公費によって賄われるケースが多くあります。

ですからそこで働く職員、特に施設長は教養として「政策」についても十分理解しておく必要があります。

また、政策それ自体だけでなく、背景(問題点)や政策形成(プロセス)、手法を理解し、論理性によってその政策が妥当性を判断できる能力を要求されます。併せて自施設のPL(損益計算書)についても理解し、説明できる能力を身に付けてほしいと考えています。(本日も、社内の公認会計士を講師にPLについて勉強しています)

手法の選択

ここでは、この日に題材となった課題(例題)と手法について説明します。

手法の選択

現状:域内を流れる河川の水質が、流域に所在する事業所からの工場排水に含まれる汚染物質により汚染が進んでいる。
目的:河川の水質保全

問題の解決にどんな手法が考えられるでしょうか?以下に手法と本ケースにおける具体的な内容を記載します。

1)直接的手法
排出基準を決めて順守を求める
汚染物質の使用禁止
2)経済的手法
汚染物質除去装置(補助金、減税など)
立地の適正化に対する低金利融資など
3) 自主的取組手法
汚染状況を公表して、自主的な取り組みを促す
4)情報的手法
環境に配慮した企業を表彰する
5)手続き的手法(届出制)
事業者に、活動が環境に及ぼす影響について調査させ、対策と一緒に報告させる

例えば「待機児童増加」に対する手法として、新園開園のために行政が補助金を出すという手法は「経済的手法」となります。

題材が公害問題なので保育施設や社会福祉施設の運営とは関係ないように思われる人もいるかも知れませんが、それぞれの手法は施設の課題に対しても使える手法ですから覚えておいてほしいと思います。

また、正しい手法を選択するためには、適切な現状分析と原因分析、正しい調査方法の理解等と併せて、その手段を選択する場合に発生するデメリットを理解した上での施設長としての決断(覚悟)が必要になります。

社会福祉施設におけるハラスメント

続いて人事総務部長による各種ハラスメントに関する講義について説明します。

この日は代表的な各種ハラスメントの説明の続いて、SNSハラスメント(ソーシャルメディア・ハラスメント)を題材に、施設長役と保育士役に分かれてロールプレイを行いました。いくつかの題材でロールプレイを行った後、ハラスメントになる言動を見つけ出し、ハラスメントとなる言動を考察しました。

施設長は施設の最高責任者ですから、自分の言動が職員に対してどのような影響を与えるかを十分配慮していただきたいと思います。

また、自らの言動で部下を次々と潰してしまうクラッシャー上司についても説明しています。

一般には、

感情の起伏が激しく、職員がミスをした際には必要以上に責め立て、暴言などを繰り返し、部下を休職や退職に陥れる上司

という定義だと思います。しかし反対に、

部下の成長に期待し、仕事を任せ、支援もするが、本人は善意で指導しているのでパワハラという認識はなく、「自分は善であるという確信」が特徴であり、情緒的共感が不足、または欠如しており、つきっきりで指導することが部下にとって精神的な負担になっていることに気が付いていないし、失敗した部下が落ち込んでいる気持に共感できない

と説明しています。加えて「あなたの職場のクラッシャー上司が日常的に取る行動はどのようなものがありますか?」というアンケート調査(ウェルクス)に対して「自身がパワハラを行っていることに気が付いていない」という回答が90%という結果を紹介しています。

講義の後半で、アンガーマネジメントについても説明をしていますが、本人にその自覚がないのであればアンガーマネジメントはあまり意味がないのかもしれません。

クラッシャー上司とモンスター社員

この講義の終わり間際に、ある受講生から「逆に施設長が職員にパワハラを受けることもあると思うのですが・・・」という話がありました。多くの施設長や主任が同様の経験をしていると思いますが、これはいわゆるモンスター社員だと思われます。

自身がクラッシャー上司になってしまうかもしれないという心配とモンスター社員に悩まされるかもしれない不安に悩む施設長の大変さを垣間見た瞬間でした。

 


次回は11月24日(土)に開催予定です。


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