フィンランドへの海外研修

日本と外交関係を結んでから今年(2019年)で100年を迎えるフィンランドは、教育や子育て支援などの先進的な福祉国家として語られることが多い国です。

一般的にはサンタクロースとムーミンの国とし知られ、画家のムンクや建築家のアルヴァ・アールトやサーリネン、作曲家のシベリウスを生み出した国でもあります。

当社は職員の専門性向上を目的として海外研修先に福祉先進国のフィンランドを選び、先日行われた社員総会での研修参加施設長による「2018年度フィンランド海外研修」発表を終え、研修の締めくくりとしました。

当ブログでも、当社の2018年度の海外研修の取り組みをご紹介するとともに海外と日本の福祉に対する違いなどを《概要・準備編》、《事前学習編》、《現地編》、《総会発表編》の4回に分けてご紹介しようと思います。

なぜフィンランドなのか?

フィンランドは他の北欧の国々と同じように教育者を専門家として育成することに重点をおいており、教員に大学院レベルの教育履修が必須となります。

また、教育者の自主性も尊重され社会的な地位も高いことで有名です。

2017年度の対GDP比教育支出は7.09%で12位(日本は3.47%で114位)でありOECDの国際学力比較調査「PISA」でも絶えず上位にランクされています。

その一方で1985年には習熱度別授業を中止し,競争を排除した異質生徒集団方式に転換をしています。

学費は基礎学校から大学まで無料で、公立だけでなく私立学校も基本的に国と地方の財源で賄われています。

このようにフィンランドは日本とは違った保育・教育・福祉制度を作り上げてきた国であり、日本の保育や介護の状況と比較するには最適な国のひとつだと考え、研修先としてフィンランドを選ぶこととしました。

海外研修を意味のあるものにするためのに必要なこと

そもそも海外研修にはどんな意味があるのでしょうか?

北野幸子 編「改訂 子どもの教育原理」の「第八章 世界の子どもの教育と歴史と現在」として各国の教育の歴史が説明されています。

その中に「(1)世界の教育を知る意味」という文章がありますので一部引用します。

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特に近代公教育としての学校はその国の置かれた政治状況や産業構造に大きく左右されて展開されてきたことがわかった。各国の公教育はその国の歴史と政治、経済事情さらには風士を抜きにしては見えてこない。

北野幸子 編・著(2018)「改訂 子どもの教育原理」より引用

著者はある国(フィンランド)の公式の教育概要や制度面の整理した文章を左側に、さらにその国の風土や教育の考え方、教育方法を記載した文章を右側に並べ比較し、こう述べています。

左の欄に示したのは,ある国の公式の教育概要から,特に義務教育の制度面について簡単に整理したものである。確かにこの国の教育制度の骨格はわかるが,これを見ても,その国の教育イメージは浮かびにくいだろう。ところが右欄の風土や教育についての考え方,具体的な教育方法などを読むと,この国の教育像がみえてこないだろうか。

北野幸子 編・著(2018)「改訂 子どもの教育原理」より引用

わざわざ時間と金をかけて海外に赴きその国の保育や介護の様子を学びに行くのが「海外研修」です。

研修に参加する職員は、視察前にその国の風土や教育制度等を理解し、訪問目的とそれに対する仮説を立てます。

そして実際に現地で具体的な制度の運用状況や教育方法等を確認する中で想定してた仮説との違いを認識することになります。

さらに訪問することで新たに生まれた疑問点を調査し、それらをまとめ報告することでより深い理解に繋がります。

そしてその報告は次年度の研修の事前資料となるのです。

我々はこのプロセス無しには本当の意味で研修成果を実践に活かすことは難しいし、深い意味での専門性の獲得にはこうしたプロセスの積み重ねが重要だと考えています。

 

以上が2018年度のフィンランド研修の概要です。海外視察研修を施設長レベルでここまで徹底的にやってるのはうちくらいではないでしょうか?

次回は《事前学習編》です。

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