園紹介の第12回目は「あい・あい保育園 あすみが丘園」です。

JR外房線 土気駅の南口を出て右に徒歩3分。閑静な住宅街の中から、ちらりと覗く大型遊具AINI(アイニー)が「あい・あい保育園 あすみが丘園」の目印です。

こののどかな地域にある「あい・あい保育園 あすみが丘園」に入ると、「おはようございます!」と明るくやさしい挨拶が響きます。そんなあすみが丘園のことを樽川施設長と4、5歳児担任の倉田先生に伺いました。

「挨拶」「子ども主体」を軸に園づくり。地域の方に支えられて。

Q,先生方の挨拶がすごく明るいですね。

樽川:ありがとうございます(笑)「挨拶」はあい・あい保育園 あすみが丘園の“園全体目標”にもしているんです。当たり前のことかもしれないですが、意識しておこなうことの積み重ねで、園の雰囲気も作られていくと思います。

Q, なるほど。園全体目標でも掲げているんですね。

樽川:はい。“園全体目標”は「挨拶・確相連報」「子ども主体の適切な援助」「園目標の達成」で、あすみが丘園は開園して2年目なので、土台作りの真っ最中です。職員たちももちろん連携して保育にあたっていますが、地域の方のご支援もあって、やってこれたなと感じますね。

Q,地域の方との交流もあるんですね!例えばどんなことですか?

樽川:昨年は、地域の方のご厚意でお芋堀りをさせていただいたり、警察の交通安全課のボランティアの方が交通安全教室にきてくださったご縁もあって、誕生日会にご招待したり、クリスマス会で、サンタさんになってくださったりして、とてもあたたかな交流を育むことができました。今年度はコロナで交流が難しいですが、励ましのお手紙をくださって…。ぜひコロナが落ち着いたら、交流を再開したいですね。

コロナストレスもパワーに。アクティブ・ラーニングの実践で園児が大活躍

Q, 園全体目標でおっしゃっていた、「子ども主体の適切な援助」は具体的にどんなことをやっているんですか?

樽川:普段の保育でもいろいろあるんですが…、例えば、最近だと子どもたちが夏祭りをやりたい!と言ってくれたので、担任の倉田先生が、じゃあどんな夏祭りにしたい?と投げかけると、かき氷やさん、アイス屋さん、盆踊り、花火…といろんなやりたいことがどんどん出てきて…。そのプレゼンがまたすごく上手なんです(笑)それで、一人ひとりの想いを受け取った倉田先生が「全部やらせてあげたいのでいいですか?」と。

倉田:園長先生に相談すると「それはぜひやってあげて」と背中を押してくれました(笑)

Q,すごい!全部ですか!それは準備も大変ですよね?

倉田:はい(笑)5月末から子どもたち中心に話し合いをして、6月に準備をし始めたので約3ヶ月かかりましたけど、子どもたちがすごく楽しんでくれていたので、本当に良かったです。

樽川:(コロナで)行事がないことに対して、職員はみんな心苦しい気持ちでいました。今回、子どもたちから発信してくれて、作り上げたことがすごく良かったと思います。

園で育てているミニトマト

 

 

Q,夏祭りをするにあたって、先生はどんな支援をしたんですか?

倉田: まず、子どもたちが夏を少しでもイメージできるよう、梅雨に入る前に「夏ってどんな楽しいことがあるかな?」と話してみました。すると、いろんな言葉が出てくるんです。昨年、当園は夏祭りをやっていなかったのですが、コロナで園の行事だけでなく、地域のお祭りなんかも中止になっていましたから、子どもたちも「なにかやりたい!」という想いは強かったじゃないかなと。

夏祭りの企画は、実はアクティブ・ラーニング※の一環だったんです。5歳児さんは3名(2020年9月現在は2名)で、その子たちにリーダーをお願いして、3チームに分けて行いました。支援としては、自信を持たせてあげる声掛け…ですかね(笑)しっかりしている子たちなので、頼りにしています。

夏祭りの準備をしていく中で、ひらがながまだ苦手な子もいたので、やりたいことをイラストで描くなども工夫しました。ポスター、看板、招待状も全部、子どもたちが作りたいと話して、それをひとつひとつ形にしていく手伝いをしていきましたね。

Q,アクティブ・ラーニングといっても、子どもだけの話し合いは難しいこともあるのかな?と思います。

倉田:もちろん、話し合いをしていくと実現が難しいことも意見として出てきます。たとえば、「花火をやりたい!」という意見ですね。打ち上げ花火のようなものは、園では危ない…ですが、“できない”で片付けないように、一歩踏み込んで、お話をしました。園児たちに理由を説明して、どうしたらできるかな?と考えてもらったり、こんな形でだったら…と提案していくことで園児の「やりたい!」という気持ちに寄り添いました。

結果、花火は“花火の絵”を作って飾ろうということになりました。

子どもたちが作った花火の作品

Q,なるほど。まさに園目標である「子ども主体の適切な援助」なんですね。

樽川:そうですね。最初は意見がまとめられなかったり、お話を聞けなかったり、と話し合いは難航していました。けれど、何度も話しあいを重ねていくうちに、お友達の意見を聞けるようになったり、自分の意見を言えるようになったり。5歳児さんはみんなをまとめる力も身に付いたんじゃないかと思います。

夏祭りで買ったものを並べて、「いらっしゃいませ~」とお店屋さんを再現したり、「もう一回やりたい!」とお話してくれると保護者様から聞きました。

Q, 心に残る行事になってよかったですね。では、最後に今後はどんな園にしていきたいですか?

樽川:子どもたちが新鮮に遊べるように保育室内の環境をもっと整えていきたいです。子どもは日々成長しているので、それに合わせていくことが大切です。子どもたちの主体性がなにより大切なので、今後も職員全員で連携していきたいです。

樽川施設長は保護者支援に対しても熱い想いを持っていらっしゃいます。「コロナで保護者会などもできず、交流を持つことが難しい。園だよりでお子さんを紹介しあうなどして、すこしでも保護者同士も交流をもてるようにしたい」と語る樽川施設長の温かい人柄が「あい・あい保育園 あすみが丘園」の伸びやかな保育を支えているんだなと感じました。


※アクティブ・ラーニングとは?
アクティブ・ラーニングとは主体的、対話的で深い学びのこと。「何を学ぶか」ではなく「どうやって学ぶか」を重視する。保育者が園児に一方的に教えるのではなく、園児が自ら考え、能動的に活動できるよう支援する。

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