global bridgeグループの株式会社global life careが運営する生活介護施設「にじの家松戸」(千葉県松戸市)が、10月から新しいプログラムを導入して「AIAI FACTORY松戸」にリニューアル。何が変わった? その様子を見学に行ってきました。
おもちゃの手作りで社会参加を体感
AIAI FACTORY(旧にじの家)松戸は、サポートを必要とされる方々などが利用する生活介護施設です。こうした方々が日中、さまざまな活動をしながら過ごされる場所ですが、今月からは「手作りおもちゃを作る」という新しいプログラムが始まりました。
利用者さんたちが一つひとつ手作りしたおもちゃは、グループのAIAI(あい・あい保育園)の子どもたちが使います。
おもちゃ作りに参加した利用者さんには工賃が支払われ、社会参加、社会復帰の第一歩としていただくことができます。
作っているのは「AI棒(あいぼう)」という布製のオリジナル玩具です。棒状のおもちゃで先端にはボタンやひも、毛糸で作ったポンポンがついています。
子どもたちは、これを何かに見立てたり、たくさんつなげて輪をつくったりして遊ぶのだそう。ボタンを留めたり、はずしたりする練習もできます。
伺った日には、4人の利用者さんがスタッフと一緒にそれぞれの作業に取り組んでいました。AI棒に詰める綿をちぎる人、綿を詰める人、綿の詰まった布を糸でとじたり、ボタンをつけたりする人。テーブルを囲んでおしゃべりしながらの作業が続きます。
「自分のペースでコツコツできるのが楽しいです。以前していた仕事では他の人と比べて落ち込むこともあったので」と女性の利用者さん。
施設のプログラムは他にもありますが、「使う人がいる」ということと、どんどんできあがるAI棒を見られる達成感が大きなモチベーションになっているそうです。
みんなで作ることが生んだ一体感
AI棒を作る工程は大きく分けて4つあります。
①布を切る(裁つ)②綿をつめる(ちぎる)③布をミシンで縫う④手縫いで飾りをつける
できる作業は人によって違いますが、誰もが参加でき、みんなで作る楽しさも体験できるのがAI棒づくりの特徴のひとつです。
AIAI FACTORYの笠井施設長は「始めてみて、『こんなこともできるんだ!』と利用者さんに驚かされることもありました。まだ試行錯誤しているところもありますが、皆さんが達成感ややりがいを感じられるようにサポートしたいです」と話します。作業を始めてから、利用者さんたちにチームのような雰囲気が生まれたそうです。
コロナ禍でもあり、利用者さんたちが、保育園でAI棒で遊ぶ子どもたちを見られるのは少し先になりそうです。
「いつか利用者さんたちが直接、保育園に伺って納品できる日が来るのが楽しみです。子どもたちが遊ぶ姿はきっと大きなモチベーションになると思います」(笠井施設長)
サステナビリティを考え、廃棄された布や服を活用したいとも考えているそうです。
子どもたちの笑顔を思い浮かべ、利用者さんたちは今日も作業に励みます。
AI棒は会員制ショップ「CCS SHOP」で購入できます。
AIAI FACTORYについて詳しくはこちらから。