明けましておめでとうございます。
新年を皆さんと共に迎えるにあたり、2022年の方針と目標についてごあいさつ申し上げます。
2022年より、当社はAIAIグループ株式会社として、新たな船出をいたします。
4月にはAIAI NURSERY(あい・あい保育園)5施設、多機能型事業所・AIAI PLUS6施設が新たにオープン予定です。これにより、直営施設数の合計は、AIAI NURSERYが85施設、AIAI PLUSが18施設、高齢者介護事業所のAIAI HOUSE・AIAI MAISON(旧YASURAGI)が計2施設、障害者支援事業所・AIAI FACTORYが1施設、合わせて106施設になります。
これまでは大きな社会問題であった待機児童問題を解消するために認可保育事業を中心に事業を展開してきましたが、待機児童問題が解消に向かいつつあるなか、これからの当グループは次の社会課題である未就学期の発達障害児支援へ注力するために、児童発達支援事業と保育所等訪問事業を展開します。
思考・英語・体操―新たに教育プログラムを導入
2022年度から、AIAI NURSERYは思考、英語、体操の3つの教育プログラムを導入します。プログラムを導入する理由は、急激な少子化、待機児童の解消、他園との差別化、公定価格の減額への対策などいくつかありますが、1番の理由はカリキュラム・マネジメントの向上にあります。
すでにご存知の通り、国では、新しい時代を生きる子どもたちに必要な力を「知識および技能の基礎」「思考力・判断力・表現力等の基礎」「学びに向かう人間性等」の3つの柱としています。この3つの柱を育み、一人ひとりに最適な保育=個別最適な保育を実践していくカリキュラム・マネジメントが重要になります。
小学校とは違い、未就学期の保育にはカリキュラムに沿った教科書や時間割がありません。そのため、保育園においては、保育士が保育内容を自由に設定することができます。つまり、保育士が立てる指導計画が時間割と教科書の役割を果たすことになるため、保育士の力量が、そのまま保育の質となります。
理想を言えば、教科書がないからこそ自由度が高くなり、子ども一人ひとりに合わせた保育が可能ですが、保育園の場合は制度的に多くの課題があります。保育士の経験年数が浅い、保育時間が長くて明日の準備が間に合わない、記録する書類が多過ぎる、小学校と違って特別学級がなくインクルーシブが前提であるなど、現実は理想とは異なります。
こうした課題を解決するために3つのプログラムを導入し、カリキュラムの半分程度を構造化します。もう半分は、これまで通りの設定保育と自由保育を組み合わせながらカリキュラム・マネジメントを向上させ、クラス運営の向上に繋げていき、最終的には保育の質の向上を目指します。
子どもたちの発達を可視化するシステム開発に着手
一方で、カリキュラム・マネジメントがうまく機能したからといって、そのままクラス運営が向上し、無条件で保育の質が高まるわけではありません。クラスの子どもたちの発達は一人ひとり異なるため、発達を可視化して分析することで、クラス担任が全体を把握できるようにして、特に「気になる子」には正しいアプローチができるようにする必要があります。
保育の個別最適化のためには、子どもたちの興味関心と発達を知る必要があります。子どもの興味関心については保育士が理解できますが、発達については情報量が多過ぎて複雑なため、分析しなければ理解が難しいものです。
そこで、今年は子どものたちの発達を可視化するシステムの開発に着手します。担任の視点、保護者の視点、訪問支援員の視点をシステム上で集約し、目に見えなかったクラス全体の発達状況が見えるようになることで、クラス運営のどこに課題があったのかが明確になり、適切な関わり方がわかるようになります。
保育・介護・障害―すべての「AIAI」が連携するシナジーを
2022年度から、保育、介護、障害、全ての施設の名称がAIAIになります。AIAI同士が連携することで、保育所等訪問支援のように、これまで出来なかったことができるようになります。そして、介護事業を展開するときには、世代間交流事業にも着手していきます。
社会に課題がある限り、私たちの仕事はなくなりません。当グループは、これまでも数多くの挑戦をしてきましたが、新しい課題には新しい方法で取り組み、1つずつ着実に解決していくグループでありたいと思います。