【研究の進捗】運動が幼児の学習の生産性に与える影響に関する研究について

 

2024年5月28日
AIAIグループ株式会社
(証券コード6557 東証グロース)

認可保育所AIAI NURSERY、児童発達支援AIAI PLUSを東京都23区、千葉県、神奈川県、大阪市市内で展開しているAIAIグループ株式会社(東京都墨田区、代表取締役社長兼CEO 貞松成)は、2024年3月26日付リリース「運動が幼児の学習の生産性に与える影響に関する研究を開始しました」について、この度、第一回目の実査と分析を行いましたので、お知らせいたします。

1,研究の背景について

2018年、国は認可保育所について、幼保連携型認定こども園や幼稚園とともに幼児教育の一翼を担う公的な教育施設として位置付けました。

当社グループでは、国の方針が公表される以前からAIAI NURSERYにおいて保育園内に学習室を設置して就学前教育に積極的に取り組んでおり、特に保護者アンケートに基づき、思考教育、運動教育及び英語教育を就学前教育として幼児クラスに週1回の頻度で提供しています。

その成果は目覚ましく、私立小学校の受験模試と同水準の難易度で毎年AIAI NURSERY全園で一斉実施している「AIAIちゃれんじ問題」の結果においても、幼児教育を選択している園児の点数は選択していない園児の点数と比べて有意に高い結果となりました。

特に、子どもが自分で考えて問題を解く思考教育の効果が強く影響していたとみられ、幼児教育を担当する保育者から「運動教育のあとに思考教育に取り組む園児の集中力は高く感じる」との報告があったことから、運動教育と思考教育の関連性を調査することといたしました。

 

2,調査の方法について

3歳児から5歳児に対し、次のパターンに分けて運動教育と思考教育を続けて提供しました。

  1. 運動教育を実施した後に思考教育を実施するパターン(以下、「運動教育先条件」といいます。)
  2. 思考教育を実施した後に運動教育を実施するパターン(以下、「運動教育後条件」といいます。)

の2通りの場合において、子どもの取り組み方や学習の結果に違いが出るかを検証しました。

 

3,実査時に担当した保育者の所感

運動教育と思考教育の提供は男女6名の保育者が行いました。
このうち2名より、「運動教育後条件は、運動教育先条件よりも、思考教育での保育者の負担が大きくなった」と回答したほか、2名が「運動教育後条件は、運動教育先条件よりも、思考教育の取り組みで幼児の集中力が落ちた気がする」と回答しました。
また、2名から「運動教育後条件は、運動教育先条件よりも、思考教育で子どもが答えられない問題が増えた」と回答がありました。

 

3,思考教育の課題中に保育者が関わる時間と回数の差について

運動教育後条件と運動教育先条件それぞれで、思考教育の課題中に保育者が幼児に関わる時間と回数を計測しました。
その結果、運動教育先条件では、運動教育後条件よりも保育者が子どもに関わる回数が全体的に少なくなり、関わる平均時間も短くなりました。

 

4,保育者が注意を行う回数の差について

運動教育先条件の場合、思考教育の課題中に保育者が幼児を注意した回数は最初の5分で5回だったのに対し、運動教育後条件の場合、思考教育の課題中に保育者が幼児を注意した回数は最初の5分で22回に増加しました。

 

5,今後の研究について

第一回の結果を受け、さらに追求すべき点や必要な調査を実施し、幼児の学習の生産性について学会誌への投稿を進めて行きます。
当社グループの保育・療育・教育の三育をエビデンスに基づいた確かなものとして提供し、保護者の皆様にもご安心いただけるよう、引き続き研究に取り組んでまいります。

 

6,研究者

木村 拓磨・修士(心理学) 東海学園大学教育学部 講師
貞松 成 ・博士(教育学) AIAIグループ株式会社代表取締役社長兼CEO