先日、AIAI Child Care株式会社の2025年の入社式を催しました。
当社は、毎年多くの新卒社員を採用していますが、2025年4月入社は、保育士90名、管理栄養士等23名、作業療法士等11名、合計124名でした。

2007年に創業から18年が経ちましたが、振り返ると会社と社会は大きく変わったと実感します。

社会の変化で実感するのは待機児童問題です。
かつての待機児童の約半分は関東圏であり、関東圏の待機児童の約半分は東京都だったので、待機児童問題は東京の問題でした。
東京都と首都圏の政令指定都市の認可保育園の入園倍率は、2021年春の調査で、東京23区全体で平均1.00倍になり、数字の上では待機児童問題は解消しました。
しかし、2024年では、認可保育所に申し込んで実際に入園した割合を示す「入園決定率」が平均79・1%と昨年よりも低下しています。
これは親が育児休業給付の延長のため、あえて人気が高い保育所を希望して落選するためと言われています。
かつての「入園させたくても入園できない時代」から「入園できると困る時代」になっているようです。

個人的には、「人気が高い保育所を希望して落選する」というのは限定的な話であって、基本的には保育の量のあとは質が求められる時代になると考えています。
保育の質が高ければ「入園させたい」という流れにもなるでしょうし、実際に質の高い保育園が増えれば第一希望の園に落選しても、入園したい園は他にもあるので選択肢も増えますので、保育事業者は保育の質を高める努力をしていかなくてはいけません。

会社の変化で実感したことは、設立当時3名だった社員数が2,020名になりました。
定員20名の小さな無認可保育園1ヶ所だった直営施設数も、AIAI NURSERYが90か所、定員は5,000名以上となり、さらにAIAI PLUSの21か所を加えると、合計111ヶ所となりました。
(共に2025年4月時点)

AIAIグループは、2023年から保育・療育・教育を一体的に提供するAIAI三育圏という経営方針を掲げています。
認可保育園AIAI NURSERYと児童発達支援AIAI PLUSが一体となり、すべての子どもに療育が行き届くようにインクルーシブ保育の実現を目指しています。
また、AIAI NURSERYでは知識教育と思考教育からなる幼児教育を導入し、協働的な学びと個別最適な学びを提供しています。

新卒の皆さんは、4月からそれぞれの職場に立ち、実践者として働くことになります。
学生時代は、教科書から得た知識を暗記して試験問題を解いた結果が評価されますが、実践者は現場の問題を発見して解決する仕事です。
つまり、与えられた問題を解く立場から、自ら問題を発見して解決する立場に逆転します。

専門職にとっては、研究によって導かれた理論と、積み重ねた経験による実践の2つが仕事の質を高める上で重要な要素となります。
どちらか1つだけでは不十分であり、両方が揃うことで初めて価値が生まれます。
私も、昨年は研究論文を2本投稿しました
今年は3本の投稿を目標にしています。

新卒の皆さんは、まずは経験を積むことになりますが、専門職として一通りのことができるようになるまでには5年の時間を要するでしょう。
経験を積んだ頃には、研究の入り口に立っていることを期待しています。