リアルとオンラインのハイブリット形式で開催

当社のグループ会社で、保育施設向けICTツールの企画・開発・販売を手掛ける株式会社 CHaiLD(チャイルド)が開発した新機能〈発熱予測アラート〉について、5月14日に記者発表会が行われました。当社代表の貞松成と(株)CHaiLDの取締役 柴田直人が登壇。その様子をレポートします。

記者発表会は、当社15階にある会場とオンラインを併用するハイブリット形式で行われました。会場・オンライン合わせて約10社のメディアが参加してくださいました。

さて、(株)CHaiLDは、ICTツールの一つとして、危険なうつぶせ寝を保育士に知らせるセンサー〈CCSセンサー〉を開発・運用しています。今回の記者発表会は、この〈CCSセンサー〉に園児が体調を崩す可能性がある事を前日に警告する〈発熱予測〉という新機能についての紹介です。

前日に園児の発熱を予測できる?

当社代表の貞松は「〈発熱予測アラート〉とは、園児(乳児)の皮膚温度をCCSセンサーで継続して記録・解析することで園児の体調の変化をとらえ、発熱など体調不良を起こす前日に保育士の端末にアラートとして表示する機能です」と概要を説明しました。

つまり、この機能を使えば、保育士や保護者が園児の不調にいち早く気づき、適切な対応をすることができるわけです。たとえば、保育士なら子どもをより注意深く見守れるし、保護者様は明日の仕事を調整したり、早めに就寝させるなどの行動もとれます。

新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中、園児の体調悪化をいち早く察知できる機能は、保育施設、保護者、何より子どもたちの健康を守るために非常に有益な機能ではないでしょうか。

貞松代表取締役社長兼CEO

午睡時のうつぶせ寝を防ぐセンサーの新機能として開発

この〈発熱予測アラート〉は、〈CCSセンサー〉の新機能ということですが、柴田から〈CCSセンサー〉自体についての説明がありました。

「もともとCCSセンサーは、お昼寝中の園児(乳児)のおむつに装着し、体の向きを自動的に測って記録し、園児がうつぶせ寝になると保育士の端末にアラートを出すものです。ご存じの方もいると思いますが、乳児の死亡原因の上位である乳幼児突然死症候群(SIDS)は、うつぶせ寝の発生率が高いとされているからです。

実は、センサーは同時に皮膚温度も断続的に計測しており、そのデータが蓄積されています。今回の新機能〈発熱予測アラート〉は、この皮膚温度のデータの推移を解析することで、翌日の体調不良を警告するものです」と述べました。

この後、〈CCSセンサー〉の機能を説明するイメージ動画が紹介されました。

(株)CHaiLDの柴田取締役

開発を可能にした直営園約3000件の子どものデータ

続いて貞松より「今回、新機能を開発できた理由の一つに、当社が79園もの認可保育所を運営すると共に、自社で保育園の業務システムを開発しているという点が挙げられます。そこから得られた約3000件の記録データを分析・解析することによって今回の開発に至ることができました」と述べました。

さらに、発熱予測機能について保護者へのアンケート結果も紹介されました。アンケート全体では、子どもの発熱や体調不良が前日にわかることを歓迎する意向が圧倒的に多いとの結果が得られたということです。

「保育士は子どもの体調が悪そうだということを、顔色や機嫌の悪さで判断しています。これに、発熱アラートというエビデンスが加わることで、きちんと保護者に伝えることができると思います」と貞松は述べました。

貞松社長と柴田取締役

当社からの説明の後、質疑応答に移りました。会場からも、オンラインでの参加者からも多数の質問が寄せられ、活発な質疑応答の時間となりました。保育現場におけるIoTを応用したシステムの開発に高い関心が寄せられていると感じました。

記者:「今後はビッグデータとしてさらに蓄積していくのでしょうか?」

貞松:「当社の最大の強みは4500人を超える定員を直営の保育園で持っているといことです。もちろん、保護者にもデータを研究や開発に活用させていただくコンセンサスをとっています」

柴田:「データ数が増えればさらに精緻な予測が可能になると思います」

CCSセンサー

会場に置かれたCCSセンサーのデモ

保育現場の人手は不足気味です。加えて、コロナ禍による感染防止対策など保育士の業務負担は増しています。CCSはそんな保育現場の業務効率を高めるため、またCCSセンサーは午睡事故軽減のため以前より開発されたものです。

今回、新機能追加により保育現場にとっても保護者にとってもさらにメリットが得られるシステムだと思います。

貞松は「登園時に熱が出ていなくても登園後に発熱する子は少なくありません。〈発熱予測アラート〉は、保育士にも保護者にも望まれている機能ですが、何よりも子どもたちの負担を軽減するために活用してほしいツールだと思います」と述べました。

〈発熱予測アラート〉の詳細はプレスリリースをご覧ください。