interview
AIAI NURSERY三番町
母店施設長 山下愛子
- 経歴
- あい・あい保育園荻窪園(現AIAI NURSERY荻窪)保育補助→保育士
- 施設長ライセンス取得
- 同園施設長
- あい・あい保育園三番町園(現AIAI NURSERY三番町)開園、施設長(現任)
- 母店施設長昇格
入社前の略歴
短大で幼稚園教諭資格を取得し、卒業後幼稚園教諭を11年経験。5年目からは主任も務めた。幼稚園・保育園以外の仕事を経て「子どもたちに関わる仕事がしたい」と保育の仕事に復帰することに決め、AIAIへ。
「新卒からずっと同じ幼稚園に勤めたこともあり幼稚園の仕事は『やり切った』と思えたので一度辞め、全く違う仕事に就きました。でもやはり『子どもに関わる仕事がしたい』と思い、今後を考えたとき、幼稚園では経験していない0歳から2歳の子どもたちと関わることも必要だと考え、保育園を選びました」
「当時の幼稚園は先生主体で活動を進めていくことが多かったのに対し、保育園は子どもたちの生活の場であり、子どもに寄り添う雰囲気でした。最初は保育士資格がなかったので保育補助という形で入社し、保育士資格を得て1歳児を担当。乳児は初めてでしたが、幼稚園での仕事で培った抽斗があったので戸惑うことはあまりなかったように思います」
離職を抑える工夫
- 施設長に心の余裕をつくる
- 「施設長自身に余裕がないと、職員にも伝わってしまいます。月に一度の巡回のときには、職員だけでなく、施設長にも『先生、今どう?』と話しかけ、ざっくばらんに話してもらう機会をつくっています。そうすると、何となく今の状態がわかるので、余裕がなさそうならブロック内の他の施設長に協力してもらい一緒に取り組んでもらったりするようにしています」
「施設長から職員についての話があった時、自身が巡回で職員の異変に気付いた時はすぐに対応できるようにしています。即対応することで、何かあれば皆が対応してくれると思ってもらい、なるべく悩む時間が少なくなるようそして解決策を探したり、提案したりしています」
「私自身が新設の三番町で施設長になったとき、マネジメントの難しさにぶつかりました。荻窪では職員として働いていた時期があったので、職員間の人間関係の構築にはそんなに苦労はなかったのですが、新設の三番町では中途採用の方も多くて、なかなかみんなが一つの方向を向く、という状態にもっていけず苦労しました。ですので、ブロックの他の施設長にも、共感して終わりではなく、寄り添って一緒に考えてくれる、と思ってもらえるようにしています」
自ブロックで質が高いと思うところ/マネジメントの工夫
- 施設長の意識やスキルが高い
- 「今年度はどの園も、課題はあってもそれをしっかり認識して対応できる能力がある施設長がそろっていますので、保育の質や運営の向上にブロック全体で取り組みたいです。どの園もまとまっていて、施設ごとのチーム力は高いです。交流を重ねていってブロック全体の力をアップさせていけば、もっとたくさんのことができると考えています」
「また、写真販売システム『MEMORU』で、写真販売の売り上げを伸ばす取り組みも今月から始めました。数字が目に見えるので、自分の園の売り上げが伸びたらうれしいですよね。伸ばすための取り組みやノウハウを共有して、ブロック全体で伸ばしていきたいと考えています」 - 相手の立場に立って考え、ほめる
- 「職員の育成とは違いますが、施設長に対しても、その人の立場に立って考える、ということの重要性を改めて感じました。私自身がかつての悩みが、ブロックの施設長の今の悩みだったりもします。ですから、施設長業務をフォローしたり、こまめに連絡を入れたり、といったことを意識的にするようにしています。また、施設長をするくらいになると、ほめてくれる人が少なくなりますから、ほめる、承認することは大切だと考えます。『母店は寄り添ってくれる』と感じてもらい、信頼関係ができると施設長の行動も変わります」
人材育成
- 一人ひとりときちんと関わる
- 「職員から見て『園長先生はきちんと見てくれている』『関わってくれる』と思ってもらうことが大切だと思います。そのために1on1ではしっかり向き合いますし、自分の施設以外のブロックの園でも、施設長にそういった姿勢で取り組んでもらうのと同時に、私自身もできる限りしっかり向き合えるように努めています」
母店施設長のやりがい
- 園ごとに異なる課題に向き合うため、学びなおしやスキルアップができる
- 計数管理を伝えてビジネス感覚を持ってもらうことができる
- 「計数管理は苦手な方もいますが、明確な数字が出るので課題がつかみやすいですし、施設長たちとすり合わせもしやすいです。ただ、かみ砕いて伝えることは必要で、例えば『園児を増やせれば、こんなふうに数字も上がっていくし、そうすれば備品を購入したり、職員の負担を減らせるよね』というふうに伝えます。施設長がこういったことを理解し、ビジネス感覚が身についてくると、職員にも自然に伝わっていきます。東京は補助金が手厚いので、それらをできるだけ受領できるよう、私自身もそれぞれの自治体の仕組みを勉強しながら取り組んでいます」
母店とそうではない施設の違い
- 職員の意識と責任感の高さとプライド
- 「三番町の職員には母店で働いている、というプライドみたいなものがあります。自分たちの行動に常に責任を持ち、適当な判断はしません。会社の方針を理解し、会社に貢献したいという気持ちも、母店以外の施設に比べると強いように感じます。三番町は新しい施策のテスト導入や取材などの依頼もありますが、どんなことでも職員は前向きに取り組んでくれています」
母店になってからの変化
- 園の運営をはじめ業務全体に対して基準を高く設定、ぶれない
- 「母店になってから、あらゆることに対しての基準はぶれなくなりました。母店施設長が揺らいでしまうと、ブロックの他の園も混乱してしまいます。園の状況はさまざまですが、自分自身の基準を変えてしまうことはないように気を付けています。それによって安定した良い園をつくっていく喜びというのはすごく感じています。母店という立場を踏まえ、会社の基準に沿って行動することで意識を高く持てるようになりました」