図は、緊急事態宣言期間を含む2020年4〜6月の株式会社global child care(現AIAI Child Care株式会社)が運営するあい・あい保育園(現AIAI NURSERY)の登園児数の推移です。
緊急事態宣言は、2020年4月7日に特措法第32条第1項に基づいて発出され、5月25日に緊急事態解除宣言が発出されるまでの49日間続きました。
この間、保育所は基本的には登園自粛期間となり、解除後も自粛要請を継続している自治体も少なくありません。
緊急事態宣言発出後の週から登園数は急激に低下し、全体の4分の一にあたる852人にまで落ち込みました。
そこからさらに低下が続き、もっとも低下したのは緊急事態宣言から3週間後の4月24日の496人であり、全体のわずか15%でした。
その翌週からは徐々に上昇し、緊急事態解除宣言の翌週には登園数は全体の70%にあたる2,319人にまで急激に上昇しました。
こうした推移を見てみると、罰則や強制力はないにしても、やはり政府や自治体による宣言や要請の影響力は極めて大きいことがわかります。
個人的に図を見て気になるのは、6月末時点の登園数が2,548人であり、在園児数3,205人のうち79.5%が登園していることです。
これは、逆に言うと20.5%の児童がいまだ登園していないことになります。
登園自粛中は保育料の減額及び免除などの措置も取られていましたが、ほとんどの自治体では7月から保育料の請求が再開されるでしょう。
そうなると約2ヶ月間にわたり集団生活から離れていた20.5%の児童たちが7月から登園する予定であるため、保育環境を再度整えなくてはなりません。
同時に、コロナによって多くの企業が業績を悪化させていることから、保護者の就労問題にも少なからず影響があるでしょう。
法的には、保育所の利用については、主に就労を理由とする保育を必要とする事由が求められます。
本来的には、全ての子どもは養護と教育である保育を必要とするため、保護者の状況の如何によって教育環境の獲得を左右されるべきではないと考えていますが、現時点では保護者が就労しなければ子どもが保育環境を得ることはできません。
仮に、コロナによって保護者が就労できなくなったのであれば、それは家計だけでなく、子どもにとっての教育的機会損失に繋がることは懸念しなければなりません。
保育は集団という家庭では得難い環境であるため、教育無償化と共に保育の利用制限をなくし、全ての子どもに与えられるよう法整備が求められます。