独立行政法人 福祉医療機構
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job16.html

近年、未就学期においても発達障害や外国籍児童数の増加など多様化しており、その教育を担う幼稚園や保育所に勤務する人材の専門性の向上も求められています。
その際に問題になるのは、ほとんどの子どもが18ヶ月検診前に保育園に入園するため、発達障害の可能性のある子どもたちが保育所に集中する傾向にあることです。
現在、児童福祉に関する資格が保育士のみであることから、保育士が今以上に専門性を向上させる選択肢がないことは問題視しています。
しかし、保育士が専門性を身に付けるために、むやみに資格を増設することは得策ではなく、代替可能な既存資格があるのであれば活用すべきだと思います。
現時点で考えられる代替資格は特別支援学校教諭免許状です。
保育士が特別支援学校教諭免許状を取得することができるようになれば、多様性に富んだ子どもが構造的に集中してしまう保育所においても、そのための専門性を高める選択肢となりえます。
しかし、現在において、保育士は幼小中高いずれかの教員免許を取得後、特別支援学校、幼稚園、小学校、中学校、高校、中等教育学校に教員として3年以上在職したり、大学で一定の単位を修得したりしなければ特別支援学校教諭免許を取得することはできません
こうした社会の変化によって新たな必要性が高まった際に、本来の目的やその対策となりうる既存資格があるにもかかわらず、その選択が叶わない状態は望ましくありません。
次回の本にも書きましたが、保育士資格のみの有資格者であっても、特別支援学校教諭免許状を取得できるようにすべきです。
これらが改定されて改善されたとしても、同時に解決すべき問題があります。
それは資格に対する加算です。
保育士が向上心をもって多額の資金と数年間の時間を自らに投じて専門性を高めて実践の場で活かしたとしても、同時に保育士の待遇も向上しなければなりません。
投資回収ができなければ、誰も投資をしようとは思わないでしょう。
資格取得を保育士の向上心に頼るばかりでは専門性の向上は限定されます。
資格制度は専門性を提供した対価とセットで考えるべき課題です。