2) 平成28年の数値は、熊本県を除いたものである。

出所:厚生労働省「国民生活基礎調査」(2017 年版)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa17/dl/02.pdf

上のグラフは、児童のいる世帯の状況に関するここ 30 年間(1986〜2017 年)の推移です。
次に、児童のいる世帯のうち、末子の年齢別での母の就業状況などは、概ね次の通りである。
① 児童のいる世帯(1182 万世帯)のうち、
・児童1人:46%
・児童2人:40%
・児童3人以上:13%
②児童のいる世帯のうち、
・夫婦と未婚の子のみ:74%
・ひとり親と未婚の子のみ:7%
・三世代世帯:16%
・その他:3%
③児童のいる世帯のうち、
・母の仕事なし:32%
・母の仕事あり:68%(正規 22%、非正規 37%)
④末子年齢 0 歳で、・母の仕事なし:61%
・母の仕事あり:34%(正規 23%、非正規 11%)
⑤末子年齢 3 歳で、・母の仕事なし:40%
・母の仕事あり:53%(正規 25%、非正規 28%)
⑥末子年齢 6 歳で、・母の仕事なし:34%
・母の仕事あり:56%(正規 18%、非正規 38%)
⑦末子年齢 15~17 歳で、
・母の仕事なし:21%
・母の仕事あり:70%(正規 23%、非正規 47%)

児童のいる世帯では、末子年齢が上がるにつれて母の就業率は上がっているものの、その内訳としては非正規比率が上がっています。 「少子化」という状況を表すデータは様々ありますが、以上のようなデータも、それを示す典型であり、今後もこの傾向は更に進むものと見込まれます。
さらに、男女とも 60 歳以上になると、「仕事なし」が増え始め、65 歳以上では男の 65%、女の 82%が「仕事なし」となっています。高齢化による体力や記憶力、処理能力の衰えを考えると仕方のない面はあるが、逆に判断力やパターン認識力、意思決定力などは向上するとも考えられます。
しかしながら、こうした状況は、現役労働者による保険料や税金で多くを賄われている「社会保障制度」の維持にとっては大きな脅威であるため、高齢者をどのように生産的に活かしていくのかを真剣に議論しなくてはいけません。高齢者層の労働市場の拡大や不足する労働力を補完する必要性は、今後ますます大きくなるはずです。 高齢者はこれまでの経験や人脈を活かせば失敗するリスクは激減するはずで、大きな成功は見込めませんが、堅実な起業家としても有能であるはずといえます。
保育・介護業界も、既に労働力不足が顕在化している状況の中、労働力不足を補うためのロボットや AI、IoT の活用が急務となっていますが、それらが現実社会で実務的に活躍しはじめるのは2040年代でしょう。