先日、出演しましたJapanStockChannel(10:16頃)でも少し話しましたが、新規事業AIAI VISITにおいてタイミー社と協力することになりました。

ウェビナーには、すでにたくさんの有資格者の方からご応募をいただいておりまして潜在的な関心の高さに驚いています。

タイミー社はすでに上場が承認され、今年大型IPO予定の注目企業です。

私が小川社長に出会って出資を決めたのはコロナ前の2019年でしたが、あれから5年でタイミーは誰もが知る大企業になりました。

今ではタイミーを活用した採用活動が保育業界でも当たり前になりましたが、当時はまだタイミーを活用した取り組みがなされておらず、当社がタイミーと協業して初めて保育士のインターン制度をスタートさせたのがキッカケでした。

今回は保育所等訪問支援で協業します。

保育所等訪問支援事業は、現在の未就学期における療育の課題を解決する可能性を秘めています。

小学校や中学校など就学後は特別学級がありますが、幼稚園や保育園などの未就学期には特別学級がないため全員が1つの教室で過ごします。

その結果、園児に対して個別に対応できずに教育の機会を逃したり、担任保育者の負担が大きくなり過ぎてしまっているのが現状です。

本来的には、児童発達支援事業所に通所することが望ましいのですが、共働き世帯にとって平日の昼の時間帯に定期的に親子で通所するのは極めて難しいものです。

通所することが難しいのであれば、こちらから子どものところに訪問するしかありません。

そこで、当社から障害児療育の経験を持つ保育士や作業療法士などの専門職が、療育を必要とする子どものいる幼稚園・保育園に訪問する事業をスタートすることにしました。

しかし、幼稚園や保育園が全国に5万か所以上あるのに対し、障害児療育の経験を持つスタッフは全く足りていないのが現状です。

そこで、療育時間は約60分であることに着目し、タイミー社とタッグを組んで有資格者のスキマ時間を活用した療育体制を仕組み化することにしました

現在、病院に勤務する作業療法士や保育園に勤務する保育士の方たちが、スキマ時間を使って週に1回程度、訪問することができるようにすることが狙いです。

また、資格はあるけども療育未経験者のために、初期研修とOJTも行い、当社から研修修了証も発行するなど、教育体制にも注力しました。

教育体制の取り組みの1つが、「AIAI式 療育プログラムの教科書」です。

当社では、施設長や新卒などの保育者向けに教科書を作成してきまして、今回の療育の教科書は6作目になります。

制作開始から半年以上かかってしまいましたが、療育の歴史、教材の説明、実際の実務までが整理されており、我ながら良い出来になったと思います。

私は、国が2012年に保育所等訪問支援事業をスタートさせてから全くと言って良いほど広がらなかった要因の1つに、「訪問支援スタッフが1人で仕事を完結させること」にあると考えています。

ただでさえ簡単ではない療育のため、当社では、認可保育所AIAI NURSERY、児童発達支援事業所AIAI PLUSにおいては毎月ビデオ・リフレクションを実施して、保育者たちが振り返っています。

動画を見ながら複数の目で多面的に子どもの姿や保育者の関わりを確認することができるビデオ・リフレクションは、子どもの内面やよりよい関わり方に多くの気付きを得ることができるなど、あらゆる内省方法の中でビデオ・リフレクションがもっとも効果的であることを確認しています。

しかし、1人で訪問する本事業では振り返りも難しく、振り返ることができないと適切な関わりができているかどうかを確認することができず、子どもの適性や発達に沿っていない我流の療育になってしまう可能性もあります。

こうした課題を解決していきながら、今年度中に関東圏の療育を充実させて、来年度は全国に波及させていきたいと思います。